王⼦グループの⼤きな特徴の⼀つが、広⼤な森林⾯積を保有していることです。その⾯積は、国内海外に⽣産林46万ha、環境保全林15万ha、計60万haと東京都の⾯積の2.5倍以上に及びます。森林は⼤気中の二酸化炭素(CO2)を吸収して光合成を⾏い、炭素として幹や枝などに蓄え固定します。
王⼦の森のCO2固定量は2023年3月時点で累計約1億2,245万トン-CO2に達しています。今後、2030年までに累積1億7,000万トン-CO2まで拡⼤する計画です。
また、王⼦グループは、「⽊を使うものは⽊を植える義務がある」という考えのもと、植林を⾏い育った⽊を伐採して活⽤する「森のリサイクル」を実践する「持続可能な森林経営」に古くから取り組んでいます。この取り組みにより、健全で成⻑の盛んな森林が維持されるとともに、産業利⽤のみならず、⼆酸化炭素の固定や治⼭・治⽔といった機能も発揮されます。
王⼦グループは、操業の改善や⽔の循環使⽤に取り組むとともに⽔リスクの⾼い地域の把握に努め、取⽔量の削減に取り組んでいます。また、取⽔原単位の削減について年度計画に織り込み、定期的な管理を実施しています。
紙パルプ事業では、製造⼯程で多くの⽔を使⽤します。そのため、⽔を無駄なく、品質に応じた⽔のリユース(カスケード利⽤:多段階利⽤)や⽔のリサイクルに取り組み、2022年度の⽔のリサイクル率は93%となりました。また、リサイクル後の⽔は、法規制値と⽐較して厳しい⾃主管理値を運⽤して浄化処理を⾏っています。
王⼦グループは、古紙利⽤率70%達成に向けて紙のリサイクルに継続して取り組み、さらなる利⽤率アップを⽬指し、機密書類や難処理古紙の利⽤拡⼤や、品質向上のため業界と連携強化していきます。
王⼦グループ環境憲章の基本理念「王⼦グループは、広く地球的視点に⽴って環境と調和した企業活動を展開し、真に豊かで持続可能な社会の実現に貢献する。そのためいっそうの環境改善に取り組むとともに、森のリサイクル、紙のリサイクル、地球温暖化対策などを積極的に推進する」に基づき制定した長期ビジョン「環境ビジョン2050」とそのマイルストーン「環境行動目標2030」の達成に向けて、グループ全体で「気候変動問題への対応」「豊かな森づくりと生物多様性保全」「資源循環と環境負荷低減」「ステークホルダーとの信頼関係の醸成」に取り組んでいます。
「気候変動問題への対応」では、森林保全・植林を通じた森林の温室効果ガスの蓄積ならびに事業構造転換、製品製造・輸送部門の徹底した省エネルギー、再生可能エネルギー利用量の拡大に取り組み、2050年のネット・ゼロ・カーボンを目指します。
「豊かな森づくりと生物多様性保全」では、持続可能な森林経営を推進して森林の多面的機能を高めるとともに、生態系を保全・回復する取り組みを継続・拡大し、世界のネイチャーポジティブの達成に貢献します。
「資源循環と環境負荷低減」では、資源の節約と循環を推進して使用量を削減するとともに、環境負荷ゼロに向けて限りなく挑戦します。
「ステークホルダーとの信頼関係の醸成」では、環境や社会に配慮した調達の拡充に取り組み、脱炭素社会に貢献する製品を製造するとともに、環境法規制を遵守した事業活動を推進します。
今後も経営を担っている経営者も含め従業員⼀⼈ひとりが環境に対する意識を常に持ち続け、地球環境問題に積極的に取組み、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。