Pan Pac社(以下、同社)が2019年に購入したフィリナキ工場のすぐ北に位置する土地(総面積298ha)には、約68haの自然林が含まれています。
同社は政府機関クイーン・エリザベス二世ナショナル・トラスト(QEll)※1と協同で、この自然林を「Pakuratahi Bush(パクラタヒ・ブッシュ)」という保護区に指定しました。
同社はこの土地の所有権を維持しますが、QEllとの契約によってパクラタヒ・ブッシュは将来の世代のために保護されます。パクラタヒ・ブッシュは、カヒカテ、マタイ、チトキ、カラカ※2、カヌラといったホークスベイ地域固有の樹種で構成されているほか、家畜や害虫の被害を免れて長樹齢となっていることから、生態的・文化的に特に価値があるとされています。
保護区指定以来、専⾨家と協⼒して鹿害防止のためにフェンスを設置したり、植栽プログラムにより数万本の新しい在来植物を植栽したりすることで、貴重な天然林の再生を支援しています。
また、パクラタヒ・ブッシュには普段は⼀般の⽅は⽴ち⼊ることができませんが、郷土樹種の植栽イベントや見学会を開催し、この土地に縁ある先住民族を含む地域の方々や学校の子供たちに参加していただくことで、環境教育の場としても活⽤しています。
本プログラムは、分断された自然林の間の永久保護林(水源地周辺の植生)をフェンスで囲って保護し、牧草地からの家畜等の侵入を防止して植生を回復すると同時に、野生動物が自然林の間を行き来することができる「回廊」として機能させ、生態系・生物多様性の保全に寄与することを目的としています。
王子ホールディングスでは、2024年から2033年の間にCENIBRA社所有地外に緑の回廊を3,500ha以上創出することを⽬標としています。