昨今、経済のグローバル化や途上国の経済発展に伴う資源需要の増加を背景に、グローバルサプライチェーンにおける企業の社会的責任の遂行がますます重要になっております。
王子グループは、原材料の調達に際し、環境や社会に配慮したサステナビリティ調達を拡充しています。「王子グループ ・サプライチェーン・サステナビリティ行動指針」および「木材原料の調達指針」を各調達部門で共有し、新規サプライヤーには、取引に先立って当方針への理解を求めるとともに指針改定時には全てのサプライヤーに周知徹底を図り、当指針に基づく責任ある持続可能な調達を推進しています。
当指針には、(1)法令・社会規範の遵守と公正な取引及び腐敗防止(2)環境への配慮(気候変動への対応、環境負荷の削減、生物多様性の保全 他)(3)社会への配慮(人権尊重、適切な労働環境の確保 他)の国際的に重要性の高い理念に基づいて構成されています。また、2024年2月には内容の一部改訂を行い、サプライヤーの皆様に対して新たな行動指針への理解と実践をお願いし、協働を進めています。
また木材原料においては、すべてのサプライヤーからトレーサビリティレポートを入手し、「木材原料の調達指針に則った調達がなされていること」を、第三者機関の監査により確認しています。
王子グループの事業・サプライチェーンがグローバル化する中、環境への配慮や労働環境・人権といったサステナビリティ要素をこれまで以上に重視し、その実態把握によるリスク管理と改善要請の実践、そのための調達活動が必要とされています。また、環境行動目標2030において、先の社会情勢を鑑み、企業の持続性、ステークホルダーからの信頼を継続していくため、『サプライヤーのリスク評価を通じ、法的遵守ならびに環境や社会に配慮した調達を行う』との内容を織り込むとともに、2020年度より主要サプライヤーを対象にアンケートによるサステナビリティ調査を行っています。また本調査および人権アセスメントなどを通じて、コンプライアンス違反等が確認された場合、サプライヤーとの対話や改善要請を行い、改善されない場合には、そのサプライヤーからの調達を停止いたします。
王子グループは、情報開示を通じて持続可能なサプライチェーンの実現を目指しています。そのため企業等の認識を促し、活動の改善を目指しているプラットフォーム(CDP)に参加しており、ブラジルのCENIBRA社やドイツのKANZAN社は、サプライチェーンのサステナビリティ評価機関であるEcovadisにも参加しています。