王子グループは、全国各地の工場で新聞用紙や印刷用紙、板紙などを生産し、紙の原料の6割以上に古紙を使用しています。さまざまな種類の古紙を積極的に活用し、資源の循環利用を進め、古紙リサイクルシステムの維持に貢献しています。
王子グループの古紙消費量は国内最大の年間358万トン。国内全体の古紙消費量1,485万トンの24%に相当し、幅広い製品にさまざまな種類の古紙を使用しています。古紙利用率は年々増加を続け、高い古紙利用率を達成しており、2023年の古紙利用率は68.3%となりました。特に段ボール原紙では98.3%となっています。
2015年度 | 2016年度 | 2017年度 | 2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | ||
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古紙利用量(千t) | 新聞 | 1,035 | 1,040 | 956 | 902 | 793 | 676 | 636 | 624 | 590 |
雑誌 | 667 | 649 | 710 | 765 | 815 | 795 | 773 | 677 | 628 | |
段ボール | 1,979 | 2,025 | 2,077 | 2,051 | 1,996 | 1,976 | 2,056 | 2,171 | 2,018 | |
その他 | 349 | 352 | 351 | 362 | 406 | 378 | 369 | 333 | 340 | |
合計 | 4,029 | 4,066 | 4,093 | 4,081 | 4,010 | 3,826 | 3,834 | 3,806 | 3,577 | |
古紙利用率(%) | 王子グループ国内 | 64.3 | 63.5 | 64.0 | 64.0 | 65.6 | 68.5 | 67.1 | 67.6 | 68.3 |
日本全体※2 | 64.3 | 64.4 | 64.2 | 64.3 | 64.6 | 67.5 | 65.9 | 66.3 | 67.1 |
王子グループは、これまで機密文書の処理を中心に、古紙の利用拡大に積極的に取り組んできました。従来利用するのが難しかった使用済み紙コップや、牛乳パックなどの液体容器をリサイクルする仕組みを新たに構築し、グループの各工場において再利用を進めています。
新聞や雑誌などの紙媒体の減少に伴い、古紙の発生が年々減少する一方、海外需要は旺盛です。古紙利用技術の向上により、これまで使えなかった古紙を安定的に利用していくことや、国内で回収されたものを国内で使うという国内循環を維持していくことが我々の使命と考え、古紙問屋などリサイクル事業者の方々とも連携しながら、国内資源である古紙の利用促進に取り組んでいきます。
古紙に混入している紙以外の異物や、特殊な印刷や加工をした紙のインクが、紙製品の色の斑点や表面の膨れの原因となり、品質トラブルを引き起こすことがあります。これらの混入物を禁忌品と総称しています。王子グ ループは、古紙問屋や(公財)古紙再生促進センターと協力し、自治体、学校、企業への禁忌品混入防止の啓蒙活動に取組んでいます。
紙製品ではあるものの製紙原料とならないもの | |
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芳香紙、臭いの付いた紙 | 洗剤・石鹸・線香など紙製包装、段ボール箱など |
昇華転写紙、感熱性発泡紙 | 感熱紙、アイロンプリント紙、立体コピー紙(点字用など) |
ろう段、ワックス付き段ボール | 輸入青果物、水産加工品などが入った段ボール紙 |
汚れた紙 | 食品残渣が付着した紙、油の付いた紙 |
紙以外のもの |
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石、ガラス、金属、土砂、木片、布類、プラスチック類など |
段ボール原紙生産会社のあるニュージーランドやマレーシアでも古紙をリサイクルし、循環型社会に貢献しています。
Oji Fibre Solutions社は、ニュージーランドで唯一の段ボール原紙生産会社であり、2023年は177千トンと同国で最も多く古紙を使用しています。またマレーシアのGSPP社が生産する段ボール原紙は、原料のほとんどが古紙です。2023年の古紙使用量は695千トンで、うち46%はマレーシア国内から調達し、54%は海外から輸入しています。
GSPP社は、提携する古紙回収・選別拠点を中心に、マレーシア国内の古紙の品質改善に力を入れています。
また、古紙リサイクルをいっそう促進すべく、一般市民の方々への啓蒙活動も行っています。
右下の写真は、以前に在マレーシア日本大使館と共同で福祉施設に寄贈した分別ボックスで、廃棄時に紙類・プラスチック類・衣類と分けることで、それぞれ資源として再利用する意識を高めてもらうよう設置しました。