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2022年度人権デュー・ディリジェンスの結果

2022年度人権デュー・ディリジェンスの結果

① 人権アセスメントの実施

2022年度は、連結会社と、サプライヤー・サステナビリティ調査対象のうち海外の木材原料サプライヤーを対象に、人権や労働慣行を確認する人権アセスメントを実施しました。重大な人権リスクは特定されませんでしたが、潜在的な人権リスクとなりうる組織上の問題点(人権関連の責任部署や担当が不明瞭など)がある事業所については改善を依頼しました。

アセスメント対象

  • 国内外連結会社(157社、回答率96.8%)
  • 海外の木材原料サプライヤー(39社、回答率100%)
  • 従業員が少数、管理部門共通等の対象を除外

アセスメント対象の人権課題

  • 差別の禁止
  • 先住民・慣習の尊重
  • 強制労働の禁止
  • 児童労働の禁止
  • 労働時間・休暇の公正な適用
  • 賃金
  • 結社の自由・団体交渉権
  • 従業員の安全衛生

アセスメント結果

連結会社

  • 顕在化した人権リスク事例:無し
  • 潜在的な人権リスクの事例:5
    • 人権尊重に関する体制、責任者が不明確:3社
    • 相談窓口周知の体制、責任者が不明確:2社
  • 実施された是正措置
    • 人権尊重における体制と責任者の明確化:3社
    • 相談窓口周知の体制と責任者の明確化:2社

サプライヤー

  • 潜在的なリスク特定比率:5.1%(2社/39社)
  • 潜在的なリスク軽減実施比率(改善依頼の実施):100%(2社/2社)

② 自社マネジメントへの統合(外国籍労働者の労働環境把握)

日本国内での外国籍労働者の労働環境の把握のため、国内連結会社92社を対象に、外国籍社員労働者(技能実習生、派遣社員を含む)の雇用状況や関係法令等の遵守状況について、調査を実施しました。外国籍労働者を雇用する23社において、法令遵守、処遇面で問題は認められませんでした。

③ モニタリング(潜在的人権リスクの調査と事例共有)

人権アセスメントでは重大なリスクは特定されませんでしたが、経済産業省「人権尊重のためのガイドライン」で外国人、女性や子ども、障がい者、先住民族等が脆弱な立場に置かれることが多いとされていることから、本年度の潜在的な人権リスク調査の対象を「技能実習生を含む外国籍労働者雇用事業所」とし、社外専門家(経済人コー円卓会議(CRT)日本委員会)によるインタビュー調査を、グループ会社の王子パッケージングで実施しました。

対象

王子パッケージング技能実習生:8名

結果

CRTからは、労働時間・賃金・健康と安全・コミュニケーション等について大きな問題はなく、良好な信頼関係を構築できていることが確認できたとの報告を受けました。

モニタリング(潜在的人権リスクの調査と事例共有)

事例共有

CRTのアドバイスにより、本インタビューの結果をベストプラクティスとして当社グループ内で事例共有したほか、技能実習生を受入れている4社に、労働慣行等の状況確認を行いました。概ね良好でしたが、給与明細や事業場内災害防止標識が日本語表記のみの事業所があることがわかり、改善ポイントを共有し、今後の改善意向等を確認しました。

④ 対話・協議

グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパンの人権教育分科会、ヒューマン・ライツ・デュー・ディリジェンス分科会に参加し、他企業、NPO等の有識者と情報交換を実施しました。