サステナビリティへの取り組みを経営の重要課題の一つと認識し、2022年4月にサステナビリティ推進委員会およびサステナビリティ推進本部を設置しました。サステナビリティに関するコミットメントを果たす上で重要な事項について、サステナビリティ推進委員会で審議し、取締役会が監視・監督します。
サステナビリティ推進委員会は、気候変動や自然資本・生物多様性、人権などのサステナビリティに関する統括責任者である、王子ホールディングスの代表取締役社長(グループCEO)を委員長、取締役(全カンパニーのプレジデントと女性社外取締役を含む)を委員として年2回開催され、サステナビリティに関するリスクおよび対策について協議します。協議事項は重要性に応じてグループ経営会議に付議・報告され、グループ経営会議の審議を経て、取締役会において執行決定されます。2023年度は、人権方針の改訂や環境行動目標2030の改訂などが決定されました。
サステナビリティ推進本部は、グループの統括管理部門として、サステナビリティ関連のグループ横断的なリスク・機会を特定します。それらを適切に管理するため、カンパニーおよびグループ会社を対象としたリスク別の部会等を通してグループ内への浸透を図るとともに、サステナビリティ推進本部の管掌取締役に毎月報告し、グループ経営会議に年2回付議・報告します。重要なリスク・機会は管掌取締役の判断のもと、取締役会に報告します。また、サステナビリティ推進委員会の事務局として、サステナビリティ推進委員会の決定事項を推進します。
王子グループでは、新規事業やプロジェクト等の投融資案件の審査に際し、経済面のみならず、「王子グループ企業行動憲章・行動規範」「王子グループ・サプライチェーン・サステナビリティ行動指針」「王子グループ人権方針」等に従い、ESGの観点を含めてリスク評価を行っています。
労働安全衛生 | 安全衛生に関する法令の遵守状況はもちろんのこと、安全衛生方針・目標、安全衛生管理体制、死亡・重篤を含む休業1日以上の労働災害の発生状況と対策の実施状況、安全パトロールや安全教育等の日常の安全衛生活動への取り組み、機械・設備、薬品、作業環境、作業方法等の安全性を確認することにより、リスク評価に役立てています。 |
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水 | 水リスクの評価・把握にはWRI Aqueduct※を用いるとともに、プロジェクト・新規事業立ち上げ予定の地域における降雨量、渇水、水災害、水に関する法規制等のデューデリジェンスを行います。
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生物多様性 | 新規事業やM&Aの検討段階で、各地域の行政、環境NGOに対するヒアリングや生物多様性のリスク評価を行っています。 |
人権 | 基本的人権への配慮がされているか、人権への負の影響を及ぼす要素がないかという観点から、特に児童労働、労務管理、先住民の権利、および労使関係等についてリスク評価を行っています。 |
腐敗防止 | 贈収賄、違法な取引および不正行為を行っていないことについて、取引先のみならず、代理店に関してもリスクを評価しています。 |
サプライチェーンのリスク評価に関してはこちらをご覧ください。
既存事業やプロジェクトに対しては、内部監査部、安全部およびサステナビリティ推進部による定期的な監査を行い、国内グループ会社のみならず、国外のグループ会社に対しても、人権リスクにつながる基本労働条件、職場安全環境の整備、環境リスクの管理状況等を確認しています。またリスクが指摘された事例に関しては改善指導を行うとともに水平展開を図っています。