Environment 環境

国内の社有林概況

国内の社有林状況

上稲子山林(静岡県)

国内社有林の概況

国内社有林は、北海道から九州まで約650ケ所に保有・管理し、その面積は188千haにのぼります。現在、国内社有林の人工林(植林地)は全社有林の40%にあたる76千haで、北海道ではトドマツ、カラマツ等、本州以南ではスギ、ヒノキ等を植林しており、その平均樹齢はおよそ60年生になり、主伐期を迎えています。王子グループでは主伐期を迎えた森林資源の活用(森林の若返りを図るための主伐と再植林)を行いながら間伐などの保育作業(次世代への資源の充実)にも継続的に取り組み、持続的な森林経営を行っています。

国内社有林内訳
社有林分布
人工林(北海道・遠軽山林)
人工林(北海道・遠軽山林)
天然林(北海道・留辺蘂(るべしべ)山林)
天然林(北海道・留辺蘂(るべしべ)山林)

森林認証SGECを取得

SGEC※1森林認証とは、一般社団法人緑の循環認証会議(SGEC)が運用する日本独自の森林認証※2です。王子グループでは、2003年12月に静岡県上稲子山林からSGEC森林認証の取得を開始しました。現在、分収林を除く国内社有林329山林、総計173千haで取得しており、国内の民間企業では最大の森林認証面積となっています。SGECは2016年度に国際団体であるPEFC※3との相互認証を調印し、国際的に通用する認証制度となりました。

  • ※1SGEC:Sustainable Green Ecosystem Council
  • ※2森林認証:持続可能な森林経営を目指し、森林が基準通り良好に管理されていることを、独立した第三者機関が審査、認証すること。
  • ※3PEFC:Programme for the Endorsement of Forest Certification
SGEC認証審査風景 美作山林(岡山県)
SGEC認証審査風景 美作山林(岡山県)
上稲子山林(静岡県)
上稲子山林(静岡県)

持続可能な森林経営と森林資源のカスケード利用

持続可能な森林経営

森林は木を植え、育て、伐採した後、再植林することによって再生産できる、持続可能な資源です。その森林資源の循環型事業を展開してきた王子グループは、伐り出した木材を無駄にすることなく、木が持っている可能性を余すことなく引き出すために、総合林産業として、森林の有効利用を推進しています。

社有林経営の基本方針

社有林経営の基本方針

国内社有林における取り組み

国内社有林の場合、苗木の植付や下草刈りなどの保育作業、間伐やつる切りなどの撫育作業、そして主伐を迎えるまで約60年を要します。
王子グループでは毎年約500haの主伐・再植林を行っており、その作業はほぼ人力で行います。植付と下草刈作業だけでも年間で延約13,000人の作業員が必要になります。そこで作業負荷低減を図るためドローンでの苗木輸送、裸苗からコンテナ苗への転換、成⻑が早く下草刈りの回数減が期待されるエリートツリーの植栽を進めています。

ドローンによる苗木運搬
ドローンによる苗木運搬

エリートツリーの植栽

エリートツリーとは、全国の森林から選抜された精英樹(第1世代)の中でも、特に優れた樹木を交配してできた苗木から選ばれた第2世代以降の精英樹の総称です。

エリートツリーの特徴としては、

  1. 初期成長が早い
  2. 花粉量が従来の半分以下
  3. 幹が通直

などがあり、成⻑が早いため、下草刈り回数削減による保育費⽤の削減、シカ食害リスクの低減などが期待されています。

スギのエリートツリーの苗木
スギのエリートツリーの苗木