王子グループは、2014年制定の「革新的価値の創造」、「未来と世界への貢献」、並びに「環境・社会との共生」からなる経営理念を踏まえ、2022年、新たに「存在意義」(パーパス)を策定し、「森林を健全に育て、その森林資源を活かした製品を創造し、社会に届けることで、希望あふれる地球の未来の実現に向け、時代を動かしていく」と定義しました。当社の再生可能な森林資源を活用した製品群は、化石資源由来の素材・製品を置き換えていくことができます。また、森林にはCO2の吸収固定や生物多様性保全等、様々な公益的機能があります。地球温暖化への対応や生物多様性保全といった環境への配慮という命題に対し、これらの極めて大きな特異性、特長を存分に発揮し事業活動をすることこそが王子グループの「存在意義」であると考えております。
主要原料の木材をはじめ、再生可能な資源を活用する王子グループにとって、自然環境の保全は事業の継続のために必要不可欠です。加えて、気候変動問題は経営上の重要課題と認識しており、2020年9月、ネット・ゼロ・カーボンを目標に掲げ、2050年の実現に向けた「環境ビジョン2050」と、マイルストーンとなる「環境行動目標2030」を制定しました。「環境行動目標2030」では、2030年度に温室効果ガスの排出量を2018年度対比で70%以上削減する目標を設定しています。そのうち20%については、石炭ボイラなどからの排出量を削減し、残りの50%については、植林地の拡大などにより森林のCO₂純吸収量を増加させることで、目標達成を目指します。
また、気候変動をはじめとする森林やサプライチェーン、人権等、様々な環境や社会的課題に対する監督機関として、サステナビリティ推進本部の傘下にサステナビリティ推進部を置き、同推進部を事務局として「サステナビリティ推進委員会」を設置しました。同委員会では、サステナビリティに関するリスクおよび対策について協議し、グループ一体となったサステナビリティについての取組を推進します。
私たち王子グループは、ステークホルダーの皆様とともに発展し、繁栄を分かち合う企業グループとして、これからも果敢にチャレンジしてまいります。ステークホルダーの皆様には、新たな経営戦略にもとづく今後の事業展開にご注目・ご期待いただき、引き続きご支援を賜りますようお願い申し上げます。
王子ホールディングス株式会社
代表取締役社長 グループCEO