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管理体制

管理体制

グループ安全衛生管理規程

王⼦グループの安全衛⽣管理体制はグループ従業員ならびに協⼒会社・臨時⼊構業者の労働災害の防⽌と健康の保持促進を図るため、安全衛⽣に関する責任体制を明確化し、グループ安全衛⽣管理規程において基本事項を定めています。

基本事項

  • グループ安全衛生推進計画
  • グループ各社への安全衛生業務の連絡、指導および管理、労働災害発生時の報告
  • 国内・海外事業場の安全衛生管理業務

国内外事業場において、責任と権限を有する事業場長が安全衛生の責任者として、安全衛生に関する業務を統括管理し、安全衛生管理体制を確立しています。国内においては労働安全衛生法に規定の規模・業種に関わらず、事業場を統括管理する工場長・事業所長等を総括安全衛生管理者に選任しています。

王子グループの安全衛生管理体制図
王子グループの安全衛生管理体制図

安全衛生方針・目標

王子グループでは「コンプライアンス・安全・環境の徹底が企業活動の根幹」「安全絶対優先の基本原則」の方針のもと、王子グループ企業行動憲章や王子グループ行動規範において、労働安全・衛生についても定めています。グループ全従業員一人ひとりが責任を認識して実践・遵守し、労働者の安全と健康の確保、快適な職場環境の形成の促進、より良い職場安全風土の構築など、王子グループで働く仲間が、安全な環境で安心して働くことができる企業であるよう、取り組んでいます。

グループ安全衛生推進計画

王子グループでは、毎年、前年の安全成績や反省を踏まえたグループ安全衛生推進計画を策定し、グループ各社に配信。グループ各社は、そのグループ安全衛生推進計画に基づき、各社・各事業場の安全衛生推進計画と具体的な活動計画を策定し、グループ従業員だけでなく、協力会社や臨時入構業者が一体となって、労働災害撲滅を目指した活動を推進しています。
2022年1年間の災害発生件数は68件で、前年と比較して3件減少しましたが、死亡災害が国内で2件、海外で1件発生し「死亡・重篤災害ゼロ」を達成することはできませんでした。
2022年に発生した休業災害68件のうち、半数の34件が安全ルールを守らないことに起因する災害となっています。このことから、2023年のグループ安全衛生推進計画では「死亡・重篤災害を起こさないために、決めた安全ルールを確実に守り守らせること!」をスローガンとし、まず、安全絶対優先を基本として、何よりも第一に安全大原則、職場の安全ルールを守ること、同時に機械・設備の安全化を推進することを掲げました。

基本方針

  • 安全絶対優先の基本理念のもと、王子グループ全体の災害ゼロを目指した活動に邁進する

スローガン

  • 死亡・重篤災害を起こさないために決めた安全ルールを確実に守り守らせること!

重点目標

  • グループ全体⽬標:死亡・重篤災害ゼロの達成

重点施策

2022年には、国内でフォークリフト・重機による死亡災害2件、海外で業務上交通死亡災害が1件発生し、3名の尊い命が失われている。休業災害も前年とほぼ同件数が発生しており、その中の約半数がルールを守らずに発生していることから、最も重要な施策として安全大原則や安全ルールを守り守らせることを掲げた。また、新たな取り組みとして強化安全巡視における定点観察を開始するとともに、機械・設備の安全化推進にも積極的に取り組む。

  1. 安全大原則とルールの完全遵守、VR(仮想)危険体験の実施
    遵守・禁止事項、非定常作業を含めた安全作業手順書を整備し、理解・習得度を確認しながら、繰り返し教育訓練を実施すること。また、VR(仮想)危険体験は、独自コンテンツなどを活用して、労働災害防止を図る。
  2. 機械・設備の安全化推進
    全員参加型のリスクアセスメントを積極的に⾏い、過去の災害要因を踏まえたリスクを漏れなく洗い出し、各社・各事業場トップならびに管理監督者が責任を持って、具体的かつ速やかな安全対策を計画・進捗管理し、安全部⾨・技術部⾨が連携して、労働災害の未然防⽌・再発防⽌・危険の見える化を図る。
  3. 安全活動の活性化
    HD安全部とカンパニー・主管会社の安全部門は、積極的に現場へ出向いて、機械・設備の安全性と法令に基づく各種資格取得者の選任・教育状況を確認すること。また、加工・仕上げ及び倉庫内作業・ヤード作業における重機との接触災害に視点をおいたパトロールやエリア内に立ち入る際のルールを確認すること。職場安全衛生会議にも参加し、類似災害防止を図る。
  4. 海外グループ会社との連携強化
    HD安全部とカンパニーの安全部門は、海外グループ会社の安全担当部門との情報交換、連携強化に努め、王子グループ国内の取り組みや各国の法令に準拠した安全活動の推進、平準化を図る。
  5. ⼼⾝の健康管理および職場衛⽣環境の改善整備
    定期健診全員受診および有所見者の二次検査・特定健診の積極的な勧奨により、健康の保持増進、疾病予防・早期発見・治療につなげる。また、ストレスチェック全員受検、過重労働による健康障害の防止、職場環境の改善整備を行う。

安全衛生情報発信・労働災害報告

王子ホールディングス安全部は、グループ安全衛生推進計画や安全衛生に関する通達・ガイドラインなどの安全衛生情報や労働災害報告書などをグループに配信しています。
万一、死亡・重篤災害が発生した場合には、グループリスク管理基本規程に報告ルートを定め、速やかに経営層に報告し、的確な管理ができる体制を構築しています。
労働災害(休業1日以上)が発生した事業場には、災害発生後3日以内に休業災害発生報告書(様式1号:速報)を安全部に提出し、王子ホールディングス安全部は基本的な災害発生状況・原因・対策を確認した上で、国内外のグループ会社に配信して、情報共有と類似災害防止の水平展開指示を行なっています。
さらに、労働災害(休業1日以上)が発生した事業場は、災害発生後1か月以内に災害発生状況・原因を詳細に調査・分析し、再発防止対策や水平展開を検討・実施して休業災害発生報告書(様式2号:詳報)を王子ホールディングス安全部へ提出します。王子ホールディングス安全部は有効な災害再発防止対策がとられていることを確認した上で、国内外のグループ会社に配信して、グループ各社・各事業場の類似災害再発防止の参考とするよう指導しています。

従業員の参画

安全衛生委員会・職場安全衛生会議・職場懇談会

国内事業場は、法律に則り、各事業場に安全衛生委員会を設置し、労働災害の防止、健康障害の防止、快適な職場環境の形成、健康の保持増進に関する計画の策定と取り組み状況等の確認と改善について毎月話し合っています。
また、安全衛生委員会の設置が義務づけられていない小規模の事業場においても、安全衛生委員会、もしくは、それに準じた安全衛生会議や職場安全衛生会議、職場懇談会等を毎月開催し、多くの従業員から意見を聞く機会を設けるなど、労使一体となった安全衛生活動を展開しています。
さらに、王子グループの国内会社・事業場においては、協力会(構内請負会社)と全従業員が一体となった安全衛生活動に取り組み、風通しの良い職場環境をつくるためにも必要不可欠なものであることから、協力会との安全衛生会議への相互出席や合同開催、非正規社員や派遣社員も含めた安全衛生会議を開催しています。新型コロナウイルス感染症予防のため、Web会議形式の会議も進められています。
なお、海外会社・事業場においても、各国・現地の法令に則り、各事業場に安全衛生委員会の設置や安全衛生管理を推進する他、事業場内に安全衛生に関して従業員の意見を聞く職場安全衛生会議や職場懇談会等を設置しています。

職場安全衛生会議
職場安全衛生会議

中央労使委員会

グループCEOをはじめとする経営層とグループ各社の労働組合との間で中央労使委員会を年2回開催しています。グループ安全衛生推進計画に基づく安全衛生活動や労働災害発生状況と再発・未然防止の取り組みなどについて情報を共有し、王子グループで働く従業員が「安全絶対優先」できる職場環境、家族が安心できる事業場の構築について討議しています。

労働安全衛生マネジメントシステム

国内グループ会社では、王子製紙、王子マテリア、王子エフテックス、王子ネピアなどの大規模会社と複数の中小規模会社では、厚生労働省の「労働安全衛生マネジメントシステムに関する指針(OSHMS指針)」に則した労働安全衛生マネジメントシステムを構築し運用しています。また、その他の国内グループ会社においても「安全衛生方針の表明、労働者の意見の反映、安全衛生目標、安全衛生計画と実施、日常的な点検、改善等」などの労働安全衛生マネジメントシステムに準じた安全衛生活動を展開しています。
海外グループ会社においても、各国の労働安全衛生を所管する組織が推奨する労働安全衛生マネジメントシステムを構築して運用や同等の安全衛生活動を展開しています。
今後、ISO45001(Occupational health and safety management systems)に準拠した活動や認証取得を検討してまいります。

リスクアセスメント

2021年はグループ安全衛生推進計画の重点施策に「設備の安全化推進」を掲げ「全員参加型のリスクアセスメントを積極的に行い、事業体、事業場トップならびに管理監督者が責任を持って、具体的な安全対策を実施し、災害防止を図る。」とし、回転体近傍作業の安全対策、高所作業時や屋根からの墜落・転落防止措置、荷役運搬、荷役重機・揚重機との接触防止対策、コンベア・ベーラー・パルパーの安全対策、被液対策を中心にリスクアセスメントに取り組み、本質安全化や工学的対策などの繰り返し災害防止に有効な具体的対策を講じることにより、再発防止・類似災害防止に努めました。

2022年リスクアセスメント実績

こちらの表は横にスクロールしてご覧いただけます。
カンパニー分類 産業資材カンパニー 生活消費財カンパニー 機能材カンパニー 資源環境ビジネスカンパニー 印刷情報メディアカンパニー コーポレートマネジメントグループ シェアードサービス会社 王子ホールディングス 総合計
リスクの特定方法
作業手順書に基づくリスクの特定 2,191 672 2,549 1,003 3,088 65 366 487 9,417
災害事例の水平展開 3,837 332 399 417 475 236 399 140 5,818
安全パトロール・監査指摘事項 4,756 48 641 214 296 117 982 980 6,938
その他(ヒヤリハット他) 22,231 702 532 606 9,084 339 1,644 231 34,763
合計 33,015 1,754 4,121 2,240 12,943 756 3,391 956 59,176

2022年も2021年同様にグループ安全衛生推進計画の重点施策に「機械・設備の安全化推進」を掲げ、「過去の災害要因※を踏まえたリスクを漏れなく洗い出し、各社・各事業場トップならびに管理監督者が責任を持って、具体的かつ速やかな安全対策を計画・進捗管理し、安全部門・技術部門が連携して、労働災害の未然防止・再発防止を図る。」としています。さらに各種災害事例やヒヤリハット、各種安全パトロール・監査指摘事項を基に、リスクアセスメントを積極的に行い、再発防止および類似災害の未然防止を図っていきます。

  • 回転体等の接触・近傍作業が伴う機械・設備の安全対策、墜落・転落、転倒防止対策、荷役機械(運搬車両・運搬重機・揚重機)との接触防止対策

安全監査・安全パトロール

安全監査・安全パトロール

王⼦ホールディングス安全部や各カンパニー・各主管会社の安全担当部署は、海外も含めた所管会社・事業場の安全衛⽣管理レベルの向上を図るために、安全監査・安全パトロールを実施しています。また新たな取組みとして強化安全巡視における定点観察を開始するとともに、機械・設備の安全化推進にも積極的に取り組んでいます。

安全管理特別指導事業場指定制度

王子ホールディングス安全部や各カンパニー・各主管会社の安全担当部署は、「安全管理特別指導事業場指定制度」を設けています。死亡・重篤災害の発生や休業災害が短期間に連続発生する等、安全管理上の改善が必要と認められる会社・事業場を、安全管理特別指導事業場に指定し、再発防止対策だけでなく、安全管理体制、改善計画・活動状況等の点検・指導を行い、安全管理レベルの改善・向上を図っています。王子ホールディングス安全部と各カンパニー・各主管会社の安全担当部署は、情報共有、連携を図り、災害防止に努めています。

災害現場検証

王子ホールディングス安全部や各カンパニー・各主管会社の安全担当部署は、災害が発生した事業場にただちに出向き、発生状況・原因・対策の確認だけでなく、事業場幹部や災害発生職場の管理職と再発防止対策や日頃の安全管理活動についても深掘りした確認と議論を行い、事業場全体の安全管理活動改善、より良い職場安全風土の構築の指導をしています。