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[Feature 1] Sustainable Forest Resources

[特集①]サステナブルな森林資源

[特集①]持続可能な森林資源

王子の森57万ha、生産林44万ha、環境保全林13万ha

持続可能な森林経営への取り組み

王子グループは、1910年代より森林資源のサステナビリティを重視し、現在も森林資源をサステナブル・ビジネスモデルの核と位置付け、持続可能な森林経営を行っています。現在、王子グループが保有・管理する植林事業地は日本国内だけでなく、海外6ヶ国9地域に広がっています。その内訳は、環境保全に配慮しつつ木材生産を主目的とした生産林が約44万ha、生物多様性や流域保全を主目的とした環境保全林が約13万haの合計57万haです。また、「環境・経済・社会」に配慮しながら適切な森林経営を行うために、森林認証制度※1を活用し、2019年度の森林認証取得率は海外植林地で94%、国内社有林で100%でした(目標達成率:96%)。
また、王子グループは森林に関するニューヨーク宣言(NYDF)※2の「2030年までに森林減少ゼロ」の主旨に賛同し、サステナブル・ビジネスモデルのKPI(重要業績評価指標)として、「2030年までに海外生産林面積を40万haに拡大、森林のCO2固定量を1億7,000万トンに拡大」することをKPIに織り込みました。

  • ※1持続可能な森林経営を目指し、森林が基準通り良好に管理されていることを、第三者機関が審査・認証すること。なお、生産林や環境保全林を含む全体の森林を対象とします。
    (例)FSC®、PEFC等。
  • ※2同宣言は、政府、企業、市民社会団体、およびその他のステークホルダーが「2020年までに森林減少を半分に抑え、2030年までに森林減少をゼロにすること」を目的とした自発的な取り組み。
こちらの表は横にスクロールしてご覧いただけます。
国別 事業会社 設立年 生産林
(1,000ha)
環境保全林
(1,000ha)
合計
(1,000ha)
ブラジル 1973年 146 123 269
ニュージーランド 1971年 35 0 35
1992年 9 0 9
インドネシア 1998年 37 6 43
ベトナム 1995年 9 0 9
その他(ベトナム・豪州・中国の4社) 17 0 17
海外小計 253 129 382
国内社有林 1945年 188 0 188
グループ合計 441 129 570
  • 生産林:環境保全に配慮しつつ、木材生産を主目的とした森林。
  • 環境保全林:生物多様性や流域保全等の環境保全を主目的とした森林。
ブラジル・CENIBRA社の事例
ブラジル・CENIBRA社の事例:
生産林(左側)と環境保全林(右側)
(FSC®C008495)

責任ある原材料調達

王子グループの主要製品は紙・板紙製品であり、その原材料の6割を古紙が占め、残る4割が木材チップや購入パルプ等の木質資源です。これらの原材料調達には、グループ従業員の他、現地のサプライヤーやコミュニティ等多くの人が携わっています。王子グループは、責任ある原材料調達を実践するため、「王子グループ・パートナーシップ調達方針(2018年12月改訂)」を制定し、さらに木材原料に対し「木材原料の調達指針(2005年制定)」を定めています。また、グループ調達方針に明記した「人権擁護や労働者の権利保護」や環境・社会的リスクに対し、リスク評価の範囲を拡大し、さらなるリスク低減を図っていきます。

原材料調達のマネジメント体制

グループ内の資源環境ビジネスカンパニーは、前述の国内外植林事業の管理の他、国内主要工場と中国・南通工場等向けの原材料の調達を担っています。このため、資源環境ビジネスカンパニーでは、所管する植林・パルプ・エネルギーなどの事業に加えて、原材料調達に関する重要事項をカンパニー経営会議等カンパニー内の会議体や稟議規則に則って審議しています。加えて、重要度に応じてグループ経営会議にて審議を行う体制を整えています。さらに、グループ各社の調達部門とグループ・サプライヤーリスクを所管する環境経営部を交え、年2回森林認証委員会を開催し、サプライチェーンに係る環境・社会的課題を共有し、改善策を協議・実践しています。

責任ある原材料調達の実施状況

王子グループはFSC®認証製品も製造しており、FSC®認証材や適切に管理された木材等のFSC®の要求事項に適合したチップのみ※3を使用しています。なお、管理された木材とするためにFSC®が求める要求事項を満たす必要があります。また、王子グループ独自の取り組みとして、調達した木質チップと購入パルプの全量に対し木材原料のトレーサビリティ※4を実施しています。
また、資源環境ビジネスカンパニーが調達した国内古紙は年間約401万トン、2019年度の古紙利用率は65.6%と、日本製紙連合会の「2020年度までに古紙利用率65%」を達成しました。古紙調達部門では、業界団体が推奨する登録事業制度を活用し、事前に登録されたサプライヤー約350社より、調達しています。さらに、調達部門では、個々のサプライヤーやサプライヤーの業界団体と連携し、古紙の品質安定と紙リサイクルの促進を図っています。

  • ※3FSC®の要求事項
    以下の5つのカテゴリーに属さない、またはこのカテゴリーの木材である可能性は低いと確認された木材。
    1. 違法に伐採された木材
    2. 伝統的権利及び人権を侵害して伐採された木材
    3. 管理活動により高い保護価値(HCV)が脅かされている森林からの木材
    4. 人工林または森林以外の土地利用に転換されている森林からの木材
    5. 遺伝子組換え樹木が植えられたエリアから伐採された木材
  • ※4トレーサビリティの確認項目
    1. 木材原料の産出国
    2. 原料の構成(森林認証材、森林認証制度に基づく管理木材、植林木、天然木、製材廃材等のカテゴリー別の構成)
    3. 違法伐採木材由来のものが含まれていないこと
    4. 遺伝子組み換え木材が含まれていないこと
    5. 公的に保護価値が高いと認められた山林を伐採していないこと
    6. 原料をめぐる重大な社会紛争がないこと
    7. パルプ漂白工程にECFもしくはTCF(塩素ガスを使用しない漂白方法)が用いられていること

責任ある原材料調達の実施状況

こちらの表は横にスクロールしてご覧いただけます。
2019年度 目標 実施状況 達成率
持続可能な森林経営 森林認証取得率:100%
  • 国内:100%、海外94%
96%
木質チップ 認証基準を満たす材:100%
  • 輸入チップ:43社
  • 国内チップ:492社
  • 森林認証制度で認められた材由来:100%確認
  • 全量を対象に、709件のトレーサビリティを確認
100%
購入パルプ 認証基準を満たすパルプ:100%
  • 輸入パルプ:12社
  • 国内パルプ:7社
  • 森林認証で認められた材:100%確認
  • 全量を対象に、400件のトレーサビリティを確認
100%
(国内)古紙 古紙利用率65%
  • 国内:350社
  • 古紙利用率65.6%
  • 登録事業者からの調達:100%確認
100%
  • 認証基準を満たす木質原料
    (例)FSC®認証材とFSC®の要求事項を満たした木材。

地域の環境・経済・社会貢献

持続可能な森林経営には、植林事業者とコミュニティの双方向の理解と、両者の「環境・経済・社会」の便益の共有が不可欠です。経済的便益の一例として、海外植林事業会社では、現在約15,000人の現地雇用を創出しています。また、小規模森林所有者に対し、植林や施業方法等の技術トレーニングを提供しています(小規模森林所有者の植林面積は、現在約27,000ha)。さらに植林事業会社は、各地の行政やNGO・市民団体と連携し、環境保全林を使った生物多様性保全プログラムやコミュニティに対する就労や教育の支援、医療サービスへのアクセスが困難な地域への医療支援等を行い、環境的・社会的便益の創出と共有を図っています。

CENIBRA社 養蜂活動と生産された蜂蜜
CENIBRA社
養蜂活動と生産された蜂蜜
PANPAC社 ブラウンキウィの幼鳥
PANPAC社
ブラウンキウィの幼鳥
QPFL社 医療支援
QPFL社
医療支援

持続可能な森林経営の気候変動問題への貢献

いま世界では気候変動が一因とされる猛暑や熱波、局所的な大雨や洪水、気象変化に伴う農業生産の減少等、様々な問題を抱えています。これらの問題は、森林の減少や劣化等とも深く結びついています。森林は、大気中のCO2を吸収・固定する機能があり、王子グループは「持続可能な森林経営は、気候変動対策に有効な手段である」と考えています。
王子グループの生産林約44万haのCO2固定量※5は、2019年度末累積で1億2,100万トンに達しています。また、京都議定書で定められた基準年1990年に対し、CO2純吸収量※6は2019年度末累積で約4,900万トンになります(1990年-2019年の年平均CO2純吸収量は、約163万トン/年)。王子グループは、今後もサステナブルな森林資源を維持・活用しながら、CO2の吸収・固定量の拡大を図り、気候変動問題に貢献していきます。

  • ※5CO2固定量(CO2トン)=2019年度末残存蓄積量m3 × バイオマス拡大係数1.7 × 容積重0.5トン/m3 × 炭素率0.5CO2換算係数44/12。なお、CO2固定量は、「伐採=CO2排出」とみなし、伐採に伴うCO2排出量を織り込んでいます。
  • ※6CO2純吸収量(CO2 トン/年)= 2019年度末CO2固定量トン ‐ 1989年度末CO2固定量トン。
京都議定書・第一約束期間:2008~2012年、第二約束期間:2013~2020年
京都議定書・第一約束期間:2008~2012年、第二約束期間:2013~2020年